Start Over

2022.8.4 Release

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原作・原曲のファンの一人として、このお話を頂く以前から口ずさんでいたこのメロディを歌えることに驚きと使命感と大きな喜びを感じています。

躓いて転んでも、手探りに前へと進んでいく物語の中で、絆や恋、涙にも似合う事が出来たらと思いながら日本語歌詞を書いていきました。

キャストの皆さんの心情の変化と共に、たくましく聴こえる事も儚く切なく響く事もあるこの曲が、ドラマに、そして聴いて下さる方自身のストーリーに寄り添える曲になっていってくれたら幸いです。

Interview

世界的人気を博する韓国ドラマ『梨泰院クラス』を日本版にリメイクした『六本木クラス』が今、大きな話題を呼んでいる。そして、その挿入歌として、原作ドラマでテーマソングとなったGahoの「START」を日本語カバーした楽曲「Start Over」を歌っているのがTHE BEAT GARDENだ。『梨泰院クラス』を代表するプライムタイムのドラマ挿入歌であり、そのドラマの原作もカバーする曲の原曲もともに世界的大ヒット作であることを鑑みれば、これは間違いなくTHE BEAT GARDENにとっての一大エポックと言えるだろう。8月4日に配信リリースされたこの「Start Over」について、大抜擢の経緯や3人の率直な心境、Uが初めて手がけた日本語訳詞からトラックメイク、歌唱のポイントまでたっぷりと聞いた。加えて、先日大団円にて終幕した全国ツアー“in your your 2022”のことや8月1日に迎えた結成10周年の節目に関しての想いやこれからを語ってくれた彼らの真摯な言葉一つひとつをぜひ受け止めてほしい。

——まずは大成功を収めた全国ツアー“in your tour 2022”を終えた今の心境から伺わせてください。
U:やり切りました。去年のツアーは、やっぱりSATORUの卒業もありましたし、コロナ禍の制限も今以上に多かったこともあって不安な気持ちがすごく大きかったんですよ。今も完全に元通りではないですけど、僕らとしては最大級の準備をして迎えたツアーでもあって。新体制になった自分たちでちゃんと音楽を届けたいっていう、その一心で何の雑念もなくチーム一丸となって走り切れた手応えはすごく感じてます。
MASATO:振り返ればもちろん個人的に悔しいことも細かくたくさんあるんですけど、でも、それも含めて今できるすべてを見てもらえたなって思いますね。サポートDJとしてkowta2が入ったり、PAさんも前回のツアーから変わったり、新たな風も吹くなかで、Uさんの言う通り、THE BEAT GARDENっていうチームとして勝負できたツアーだった気がしていて。まだまだいけるなって可能性も感じたツアーでした。
——今回、初めてMASATOさんの地元、滋賀県に凱旋することもできましたしね。
MASATO:はい! ライブで滋賀に帰れるっていうのはやっぱり特別だなって。U☆STONEは夢のステージだったので感慨深いものがありました。そのステージに立ってきた数多くの先輩アーティストたちの背中を、まだ少しですけど追えるようになれているのかな、みたいな。
REI:今回のツアーでは3人とも凱旋できたんですよ。全員の地元を回れたのは今回が初めてで。自分の地元じゃなくても、自分のことみたいに嬉しかったですね。初めて訪れることができた会場も4箇所あって、ずっと待っていてくれたBeemerに会えたことも嬉しかったです。これまでも1本1本がファイナルという気持ちでツアーに挑んできましたけど、さらに妥協なく、チーム全員で1本1本を本気でやり遂げられている感覚がすごくあったんですよね。Beemerのみんなとも、ただ会えて嬉しいだけで終わるのではなく、ちゃんとライブを届けられているっていう実感がこれまで以上に感じられて。
——しかも全会場ソールドアウト。まさに“in your tour”、みんなで作り上げる“our=私たちの”ツアーですね。
U:本当に嬉しいし、ありがたいです。Beemerと僕らチームとみんなで走り切れたツアーになったなって思ってます。
——そんなツアーのファイナル公演、東京・恵比寿LIQUIDROOMでは新曲「Start Over」がライブ初披露されました。現在放送中のドラマ『六本木クラス』の挿入歌でもあるこの曲ですが、THE BEAT GARDENが担うことになった経緯を教えていただけますか。
U:本決定の知らせをいただいたのがツアーが始まる少し前だったんですよ。1ヵ月くらい前かな?
——かなり最近の話だったんですね。
U:そうなんです。だからマジでびっくりして。もともと『梨泰院クラス』のファンだったので、ホント「ありがとうございます!」っていう。ただ、ツアー前だったので「スケジュール、ヤバくない?」ともちょっと思いましたけど。ライブが毎週土日にあって、車移動だから金曜日に東京を出て、月曜日に帰ってくるようなスケジュールで、しかも水木はツアーのリハをしていたから、いつレコーディングをするんだろう?みたいな(笑)。でも、それが不安だとかは一切なくて、とにかく嬉しくて仕方がなかったです。それこそ結成10周年でようやく掴んだすごく大きなチャンスなので、エナジーでみなぎっていたというか。
——THE BEAT GARDENにとってもエポックメイキングというか、本当に大抜擢で。MASATOさんはどう感じていらっしゃいました?
MASATO:『梨泰院クラス』はメンバーみんな観ていたので、最初は「え!?」って。六本木という街もTHE BEAT GARDENにとってはすごく縁のある地なので、何かとても運命的なものを感じましたし、もちろん責任感も使命感も感じました。自分たちが納得いく形にするということと、原曲を崩さないということ、その両方をしっかり突き詰めて作り上げようっていう覚悟がすぐに固まったというか、ただ喜んでいるだけではいられない感覚も同時にあった気がします。
——レコーディングのメイキング映像でMASATOさん、「二重のプレッシャーがあった」っておっしゃってましたよね。Gahoさんの原曲ファンも、原作ドラマのファンもどちらもたくさんいるから、と。
MASATO:正直なところ、プレッシャーはすごくありました。でも、キャストさんのSNSとかを拝見して、自分たちだけじゃなく、このドラマに関わるすべての人がいろんなプレッシャーと覚悟を持って臨んでいるってわかったときに、全員の意識が“いいものを作る”っていう一つの方向に向かってることが確信できて。僕らも自分たちが納得いくところまでやり切れたと今は自信を持って言えますし、だから、あとはとにかくたくさんの人に受け取ってほしいっていう気持ちですね。そう言えるところまで持っていけたんじゃないかなって。
——REIさんは?
REI:やっぱり驚きました、最初は。MASATOさんも言ったように、いい意味での責任感みたいなものは自分もすごく感じましたし。『梨泰院クラス』といえば「START」、みたいな1セット感が自分の中にあって、だからこそ『六本木クラス』をご覧いただく方々にも「いいカバーだね」って思ってほしい、そのためにもできる限り力を尽くして良い作品を作るっていう、そこに全力でしたね。
——実際に『六本木クラス』をご覧になってどうでしたか。
U:第1話の放送はみんなでユニバーサルシグマに集まって観たんですよ。あえて、どこで「Start Over」が流れるかを聞かずにいたら、早くも冒頭部分でイントロが流れて「おお!」みたいな。「ここはインストゥルメンタルなんだね」「さすがにまだ早いしね」とか言ってたら歌が流れ出したから、もう声にならないっていうか(笑)。こんなにすぐ流してくれたことが嬉しくて、本当に信じられないぐらい。
MASATO:食い入るように観てました。一瞬も聴き逃すまい、みたいな(笑)。
U:そのあとも(主人公の宮部)新と(ヒロインの楠木)優香が階段を昇るシーンでもちょっと編集してサビを2回まわしで流してくれたり。あのシーンは原作にもあるものだから「うわぁ!」みたいな。
——毎回、すごく良いところで使われていますよね。あの、これは少し意地悪な質問かもしれませんが、一方で、自分たちのオリジナル曲じゃないということに抵抗というか、何か引っかかるもの感じたりとか、そういうのはなかったですか。
U:ないです! 原曲も原作ドラマも好きだし、自分の手で日本語詞を書かせていただけたこともあって、カバー曲だけど僕たち自身の想いを歌っているとすごく思えているんですよ。いわゆるカバー曲を歌っている感覚とは違うというか。韓国語詞の直訳を読んだときも、まさに自分たちそのままだなと思ったし、そもそも『梨泰院クラス』を観ていた時点で俺らのストーリーだと思いましたから、僕。めちゃくちゃ共感するから絶対に観たほうがいいってメンバーに勧めたのも僕ですし。
——今回の挿入歌は、ある意味、選ばれるべくして選ばれたのかも。
U:そう思いたいくらい、勝手に運命を感じました。なのでマイナスな感情は一切なかったですね。
REI:結成10周年っていうこのタイミングで、これだけ自分たちの気持ちを反映してくれているカバー曲もなかなかないって逆に思ったりもするんです。このタイミングでこの曲だからこそ、僕たちならではの何か歌えるものがあるんじゃないかって。
——とはいえ、すでにある歌詞を日本語に訳すのはかなり難しい作業だったのでは。
U:自分の歌詞を書くより全然難しかったです。原曲が好きなぶん、理想像がはっきりしすぎているというか……正解はもう目の前にあるわけじゃないですか。120点のものがすでにあるところに挑んでいくなんて僕にとって初めての経験だし「どうしたらいいんだろう?」って葛藤したり、すごく苦しんだ時間もありましたね。
——だから、なおのことTHE BEAT GARDENの曲として違和感なく聴けるんでしょうね。なかでも印象的だったのはDメロ後のサビの繰り返し部分で。原曲では2番のサビを繰り返していますけど、この曲は1番のサビを持ってきているじゃないですか。
U:もちろん2番のサビも言いたいことではあるんですけど、1番のサビに書いた“ずっと隣にいて”っていうニュアンスの言葉は、実は原曲ではそんなに入っていなくて。ただ、『梨泰院クラス』には恋愛の要素もそうですけど、仲間としてずっと隣にいてほしいっていう想いも描かれていると感じていたんですね。その想いって僕らメンバー同士にもあるものだし、ここまでずっと一緒に歩んできて、10周年というこのタイミングに、この曲でもう一回始まりを迎えるって考えたときに1番のサビのほうがより自分たちの気持ちにしっくりくるなって。だから最後はこっちを歌わせてもらったんです。
——特にこだわった表現などはあります?
U:いちばん悩んだのは、やっぱり最後の“ずっと隣にいて/そのままで”ですかね。僕は『梨泰院クラス』でいうとイソ役、『六本木クラス』で平出友梨奈さんが演じている麻宮葵が大好きなんですけど、歌詞の中に恋愛の要素をフィーチャーしてラブソング的な曲にしてしまったら、そのあたりのストーリーを邪魔してしまうのかなって心配だったんですよ。そう受け取られかねない言葉かなって。でも、さっき言ったみたいな想いはしっかり伝えたかったし、だったらそこに至るまでの歌詞でただの恋愛ものではない部分もちゃんと表現できれば大丈夫かな、とか……なので、ここの箇所はすごく悩みましたね。あと、“希望を/引きずられ”とか“この足が傷付いても/その道を選んで行く”とか、ちょっと原曲とはニュアンスが違っているんですけど、そこは日本語だからこそ表現できる言い回しで書きたいと思って悩んでいた部分でしたね。
——原曲の歌詞はよりパワフルだし、ストレートですよね。のしあがってやるんだという野望も強く秘めていて。でもUさんの歌詞はより繊細というか、迷ったり悩んだりしながら、でも君と一緒だったら進んでいける、みたいな。ある意味、弱さは弱さとして抱えながらも挫けない、しなやかな不屈さを備えているように思うんです。
U:原曲の歌詞はすごく『梨泰院クラス』の世界観に合っていて、Gahoさんが歌うあの柔らかさもまた力強い歌詞にマッチしているんですよね。でも僕らの場合は今まで歌ってきた曲たちもそうだったように、例えば応援歌のような曲でも、思い切り背中を押すというよりはそっと背中に手を添えるようなものを書いてきたと思うんです。そういう性格のグループなんですよね、きっと(笑)。この曲も歌詞の意味自体は崩さずに書いたつもりなんですけど、言葉のニュアンスとかはどうしてもそういう捉え方になってしまうんだろうなって。
MASATO:僕は“時に誰かに希望を/引きずられ恨んでしまっても”の歌詞とか、10年っていう自分たちが歩んできた軌跡があるからこそ歌える言葉だなって感じますね。曲作りもなかなかままならない中で必死に路上ライブをやりながら、脚光を浴びているアーティストと比べてジェラシーを感じたりとかやっぱりすごくありましたし、でも、そんな自分たちに絶対に打ち勝つっていう気持ちでお互いに奮い立たせ合って、ここまでやってきて。原曲の直訳を読んだときも思いましたけど、Uさんがこう書いてくれたことで、まさに自分たちだなと思えたんですよ。自分で言うのもなんですけど、すごく粘り強いですから、僕ら(笑)。
U:だね(笑)。
——たとえ、うらやんで恨んでしまったとしても、そこで腐るのではなく、それを自分たちを奮起させるエネルギーに変換してきたんですね。
MASATO:その“たとしても”精神がすごくTHE BEAT GARDENだなって。
REI:Dメロの“もう見失ないたくないんだ 自分を”が僕はすごく好きですね。僕が歌わせてもらってるパートなんですけど、やっぱりこの10年、楽しいことだけじゃなく苦しいこともたくさんあって。芯を持って活動してるつもりでも、どこかで自分を見失う瞬間って少なからずあったなと思ってるんですよ。だからこそこの歌詞は自分自身に対しても歌えるなって。しかも、聴いてくれた人が「背中を押してもらえた」とか「明日からもう一度始められるんだ」って思えるようなメッセージも詰まっていると思うんです。
——トラックも原曲にかなり忠実に作っていらっしゃいますね。
U:本当に原曲そのままでもいいぐらいだったんですけど、せっかくTHE BEAT GARDENとしてとカバーをさせてもらうからには、出過ぎず、でもちゃんと“らしさ”も感じていただけるものにしたくて。それでサビを四つ打ちにしたんです。サビの疾走感は原曲の大きな魅力ですし、その魅力をさらに四つ打ちで膨らませることは、きっと原曲のファンの方にも失礼にならないはずだと思ったので。
——では、いちばんの肝である歌に関してはいかがでしょう。Gahoさんというソロシンガーの曲を3人の歌にどう変換していくか、韓国語と日本語ではメロディにどう乗せるかもまるで違ってくると思うのですが。
U:3人でまずはGahoさんの韓国語オリジナルを練習したんですよ。完コピとはまた違うんですけど、Gahoさんのメロディの追い方や、発声の柔らかさ、力強さ、ビブラートの波だったりを一回、体に入れたいと思って。
REI:そうすることで、言語が違えど、Gahoさんご本人や楽曲が持つ熱量みたいなものがより強く伝わってきたんですよ。ニュアンスを含め、Gahoさんの意図というか、こういうふうに表現されたいのかなっていうのを紐解くようにして常に意識していましたね。
MASATO:もちろん韓国語と日本語の発音の違いは大きいですし、母音の長さとかそういう部分でも、韓国語で作るメロディってこんなに違うんだなっていうのがわかってすごく興味深かったです。そのぶん、日本語詞で譜割を調整していくのは大変になるんだろうなとも思いましたけど。
U:譜割はめちゃめちゃ苦労しました。原曲の歌詞にはない英語のフレーズを当てていたりもするんですけど、それってちゃんとその箇所の韓国語の鳴りを引き継ぎたかったからなんですよ。あんまり日本語日本語してしまうより、原曲で聴き馴染みのある音に近いものにしたくて。
——“Let me go”、“Hang in there”の部分ですね。
U:はい。そこは韓国語の譜割に忠実になるように何度も書き直しました。
——それぞれの歌唱パートで苦労したりこだわったポイントを挙げていただくとしたら?
U:Gahoさんと比べるとたぶん僕のほうがもう少しハスキーで馬力のある声質をしていると思うんですよ。もちろん自分の声質も活かしてはいるんですけど、サビに関してはGahoさんの声の成分を真似させていただく気持ちで歌わせてもらっていて。そのおかげか、ドラマ放送後に「Gahoかと思った」とか「声が似ていて耳にスッと入ってきました」って原曲ファンの方からも感想をいただいたんですよ。あと、僕はビブラートをかける癖があって……Gahoさんもかけてるんですけど僕よりもナチュラルなんですよね。なのでビブラートは自然にかかるものだけを活かして、あとは極力かけないように意識していました。
REI:癖で言うと、僕は日本語をすごくはっきり発してしまうので、全体をマイルドに、子音を意識して歌うように気をつけてましたね。韓国語って語尾の息の使い方が絶妙なんですよ。しかもGahoさんの声って伸びやかじゃないですか。あの伸びやかさをなんとかこの曲にも落とし込みたくて、ブレスのタイミングや語尾の息の使い方とかもすごく意識していて。
——だからか、聴いているうちに日本語だけど韓国語のようにも聴こえるというか、どちらでもあり、どちらでもないような、不思議な心地よさを感じたんですよ。それはみなさんがまた一つ新しい歌い方を手に入れたからなのかなって。
U:そうだと思います。 韓国のアーティストが歌う日本語ってどういうものなんだろうと思って、この期間はK-POPもみんなでたくさん聴きましたしね。もちろん今までのTHE BEAT GARDENらしさも滲み出てると思いますけど、今までの曲にはない歌い方をしている感じがあるというか。でも、MASATOはわりとナチュラルだったよね。
MASATO:そうなんですよ。隼人さんとも相談しながら歌っていたんですけど、意外と「そのままでいい」って言われることが多くて。たぶん、僕がそのまま歌うことで二人とのバランスが取れてる部分があるんだと思うんです。譜割とか、かなり原曲に忠実に再現されていますけど、僕自身はいい意味でそこまで意識していなくて。ただ、かなりハートフルに歌ったつもりではあるんですよ。自分がGahoさんの歌で『梨泰院クラス』のシーンを思い出すように、『六本木クラス』をご覧になった方がこの日本語バージョンを聴いてドラマのシーンを思い浮かべてくれたら嬉しいなと思って。
——ツアーファイナルで歌ったときはどんな感覚でした?
U:気持ちよかったし、楽しかったですね。すごい笑顔で泣きそうになるような感じ。どうだった?
REI:初披露だけど、もちろんみなさんは知ってくれていて、なんならサビの“♪ウォッ”を一発目から一緒に盛り上げてくれるっていう、誰もが知っている曲を歌うってこういうことなのか!みたいな。同時に、自分たちのオリジナルもそうなってほしいな、そういう曲を生み出していかなきゃいけないなっていう気持ちも芽生えました。
MASATO:この曲がどれだけ名曲かを肌で感じられた瞬間でしたし、この曲を日本語で歌ってもいいよって言っていただいたことへの責任も改めて感じましたね。この曲をさらに広めていけるようにって。
——結成10周年のタイミングで巡り合った「Start Over」、きっとTHE BEAT GARDENにとっても代表曲の一つになるのではないでしょうか。ところで10周年に対する今の率直なお気持ちは? 「よくここまできたな」ですか。それとも「まだまだ」でしょうか。
U:どうだろう、それぞれで違うのかな。
REI:たぶん経つまでは“10年”って聞くと長いなって思うと思うんですけど、毎日が必死すぎてホントあっという間で。それこそ「Start Over」じゃないですけど、THE BEAT GARDENはもう一回ここから歩み出すんだっていう感覚が今はすごくあるんですよ、僕は。
MASATO:僕もお祝いされて気づく、ぐらいな感じかもしれないですね。だから感覚的には「あ、もう10年経ったんだ?」っていう。ただ、振り返ればやっぱりものすごく濃いんですよ。どんな仕事でも10年間続けるって本当に大変じゃないですか。明日も続けていられるように今日を必死で生きてきた積み重ねというか、“10年”っていうのはその日々がくれたプレゼントというか、ちょっと報われたような感覚があって。でも、全然まだまだこれからですよ。この曲も一つの大きなきっかけになると思いますけど、曲だけが先走っていくパターンもあるので(笑)。そこは自分たちもしっかりついていかなきゃいけないですし、それだけのキャリアも自信も積んできているとは思ってますし。なので、またもう一度、気持ちを引き締め直して頑張りたいです。
——毎日必死にやり続けていたら10年経ってた、って実はすごいことですからね。ここからの10年も非常に楽しみです。
U:宮部新も「俺の計画は20年計画なんだ」って言ってましたからね(笑)。THE BEAT GARDENも10年経ちましたけど、年数がどうこうではなく、とにかく夢に向かって一歩一歩、着実に進んでいくなかで、ファンのみんな、家族、友達、レーベルや事務所のスタッフのみなさん、お世話になっている方たちに、一つひとつ、ちゃんと恩返しをしていくことが大事だし、僕たちにとっても嬉しいことなので。今回、『六本木クラス』挿入歌っていうギフトのおかげですごく成長できたと思うんですよ。同じ1ヵ月でも、この1ヵ月は何年分に相当するぐらい成長できたと思うし、逆に成長できてない部分もすごくわかったんですよね。そういう意味言えばLIQUIDROOMも、全部出し切った嬉しさと同時に、出し切ったのに叶えられなかった悔しさっていうのも自分たちの中ではあって、それはこれから成し遂げていかなきゃいけないことだし。そうやって10年後に笑えているようにこれからも歌い続けていきたいし、おじいちゃんになっても「Sky Drive」をやるって、それはもうずっと公言してきていますから。だからBeemerのみんなも健康には本当に気をつけて(笑)。
——一緒にジャンプできるように筋トレなんかもしっかりしておかなきゃですね(笑)。
U:みんなと一緒に頑張っていきたいので、これからもよろしくお願いします!
取材・本間夕子