Movie

Official Interview

抱えていても苦しいだけなのに手放せない、手放したくない想い。THE BEAT GARDENから届いた2022年の第一弾配信シングル「それなのにねぇなんで?」はもう終わったはずの恋を、それでも終わらせることができない女性の目線で描いた実に切ない失恋ソングであり、また、一方で彼らの並々ならない覚悟をもひしひしと感じさせる新基軸とも呼びたい1曲だ。時間の流れも、人との関係性も、サクサクと更新され、過ぎ去ってしまいがちな今だからこそ、苦しくてもつらくても何度だって反芻してしまうこの主人公の心情はとても尊くさえ思えてしまうが、今作はいかにして生み出されたのか。ある意味、THE BEAT GARDENが目指す“歌もの”“J-POP”の一つの究極とも言うべきこの「それなのにねぇなんで?」について、U、REI、MASATOの3人に様々な角度から紐解いてもらった。5月14日からはグループ史上最大規模となる全国ワンマンツアー“in your tour 2022”もスタート。今年のTHE BEAT GARDENからも目が離せそうにない。
——THE BEAT GARDENの新しい風を感じさせる、またしてもすごい新曲ができましたね。ただ、今年の一発目であり、しかも4月という始まりの季節にリリースする楽曲として、なぜこんなにも切ない失恋ソングが選ばれたのか、すごく気にもなっていて。
U:おっしゃる通り、たぶん今までの中でいちばん苦しいかもしれないですよね。このいちばん苦しい部分にたどり着いた経緯というのが……最初の着地点として、まず春のラブソングを書こうというのがあったんですよ。各自、3〜4曲ずつぐらいメロディを書いて持ち寄ったんですけど、その中でREIの作ったバラードがすごく良くて、それがこの曲の元になってるんですね。ただ、春にバラードを歌い上げるのはちょっと重たいかもね、ということで、もう少しBPMを上げて作り直そう、と。それでBPMを今の117にあげて、メロディもREIが作ったものをベースにしつつ、譜割を変えたりして僕がまず形を作って。さらに自分がハッとするような部分も必要だなと思ったので、MASATOに渡してさらに細かくメロディを修正してもらったんです。
——それで今回の作曲クレジットが“THE BEAT GARDEN”なんですね。「One」以来、約3年ぶりだから「お!」と思いましたよ。
U:そうなんです。“作曲:THE BEAT GARDEN”っていう表記がシンプルに嬉しくて。
——そもそもREIさんは、どんなイメージでそのバラードのデモを作られたんでしょう?
REI:やっぱり春がテーマなので“出会い”と“別れ”をモチーフにして、温かさや切なさを表現したいなと最初は思っていたんですけど、ふと、どっちかに振ってみようかな?って思いついたんですよ。泣き感の強い曲が個人的に好きだというのもあって「だったら、そっちにしてみよう」って。
——ポップでハッピーという春にありがちな要素とはあえて逆方向に行こう、と。
REI:ほんと単なるフラッシュアイデアだったんですけど、このタイミングにリリースされる曲やチャートに上がってくる曲ってきっとそういう“春曲”が多いと思うんですよね。もちろんそれもありですけど、何か自分の中でもう一つテーマを持ちたいな、「春だけど切ない」とか何か引っ掛かりがあったほうがいいなと思ったんです。
——そしてUさんからパスを受け取ったMASATOさんはこの曲に対してどういったアプローチを?
MASATO:今、REIが言ったそもそもの意図は聞かされていなかったので、シンプルにデモ会議で聴いたときに思った「自分だったらこうするな」っていうのを実際どれぐらい入れようかという感じでしたね。で、REIに相談したら「もうぶち壊しちゃってください」って言ってくれたので「かしこまりました!」って(笑)。と言っても、Uさんから受け取った段階ですでに全体的な形は出来上がっていたので、僕としてはもっと3ボーカルだからこそできること、もっと自由に3人だから歌える歌を作っちゃおう、みたいな。逆に言うとソロボーカルではカバーできないくらいの曲になってもいいのかなって。なので最後の調整役としてあれこれドラマチックにしてみました(笑)。
——ドラマチック担当がMASATOさんだったんですね。今回、アレンジャーは「マリッジソング」「遠距離恋愛」も手掛けられた田中隼人さんですが、チームとして目指していた音像は?
U:今の僕らの目標として、J-POPでトラックスタイルを突き詰めていきたいっていうのがあるんですよ。今までにエレクトロな楽曲もやってきたし、生音ベースのサウンドもやってきて、その上でここから大きくなっていくことを考えたときに、トラックスタイルというものをいかに突き詰められるかだと思っていて。それこそFUNKY MONKEY BΛBY'S(FUNKY MONKEY BABYS)さんやケツメイシさんが中心となっていた10年前のトラックスタイルブームの、あの雰囲気を今、追求しているグループっていないなって思ったんですよね。隼人さんはファンモンさんを手掛けていらっしゃいますし、あの頃の雰囲気を今っぽく落とし込むにあたってベストだと思ったのと、僕ら3人の声質やTHE BEAT GARDENの歴史も全部知ってくださってる方なので、ぜひお願いしたい、と。で、僕らと隼人さんとで、春感があって、4つ打ちだけどただのトラックスタイルじゃない、ちゃんと今のJ-POPとしても確立されたサウンドである一方で、ちょっと懐かしいような耳馴染みもあるものを目指しましたね。
——ある意味、とても王道なサウンドアプローチではありますよね。メロディが立っていて歌が前面に出てくるような削ぎ落とされたアンサンブルと、安定した四つ打ちのリズムトラックとが主体の、シンプルな構築感。そこにみなさんの覚悟が現れている気がしました。
U:THE BEAT GARDENも方向性を突き詰める時期に来ていますし、やっぱりJ-POPでヒットするグループになっていきたいと思っているので。もちろんライブやアルバムの楽曲では僕たちが大好きでずっとやってきたエレクトロなサウンドやダンサブルなもの、洋楽的要素のあるロックな曲とか、変わらずにどんどんやっていくつもりですけど、より世間に認知されるという意味でも、覚悟を決めてJ-POPというものとしっかり向き合って、突き詰めていきたいなって。
——頼もしいです。田中さんとのやり取りで何か印象に残っていることなどはありましたか。
MASATO:今回は結構、長時間のレコーディングだったんですけど、全部録り終えてトラックダウンまできたところで「ここのアレンジをちょっと変えたい」って隼人さんから提案をいただいて。2番のBメロなんですけど、一旦、完成したものを取っ払ってまた一から作ってくれるっていう妥協のないアレンジをしてくださったんです。それが今回の隼人さんのアゲポイントで。でもサゲポイントもあるんですよ(笑)。
——聞かせていただきましょう(笑)。
MASATO:いや、全然サゲではないんですけど(笑)。さっき今回は長時間レコーディングだったと言いましたけど、今までは自分たちで曲の歌割りを決めて、レコーディングでは担当のパートを歌っていたんですよ。でも今回はそれを決めずに、まずは一人ひとり、全員が1曲をまるまる歌って録ったんです。だから楽曲に込める感情も全部、自分ひとりでドラマのように作り込むことができて。その中でも僕自身、すごく気持ちを込めて歌えたところがあったんですね。「きたな、これ!」って自分でも手応えを感じたんですけど、隼人さんに「MASATO、そんなに強く歌わなくていいよ」って言われて。
一同:(爆笑)
MASATO:でも、そういう匙加減って絶対に第三者のほうが正しいんですよ。しかもサクッとそう言ってもらえるのは隼人さんだからかなって。ちゃんと楽曲の本質を汲み取ってくれたからこそだし、それは違うよって普通に言ってくれた、その関係性が嬉しかったんです。
——とはいえ正直、ちょっと悔しかったのでは?
MASATO:はい。でも「隼人さんがそう言うんだったら、そうなんやろな」って思った自分自身がもっと悔しかったですね。「ここにはこういう気持ちの流れがあって、だから僕はこういう気持ちで歌ったんです」ってこだわりを言えたらカッコよかったんですけど、すぐに「たしかに!」って歌い直していたので。
U:今はそれでいいんだよ。
——ちなみにREIさんはどんな気持ちで歌っていらしたんですか、今回。
REI:歌詞をいただいたときに女性の心情や情景がすごく思い浮かぶなって思ったんですよ。それを歌や声に落とし込みたいなと思って。“それすらもうわからない”ってフレーズも「本当にわからないよ」っていう気持ちで歌ったりとか、自分の中の感情と紐付けながら、じゃあここでアクセントつけようかなとか、また一段と歌の表現の幅が広がった感覚があったんですよね。歌に対しての理解度や、音楽っていいなっていう実感を歌いながら改めて感じられたレコーディングだったというか。1曲通して歌うのもインディーズやデビュー初期の頃以来だったので、そういうのも含めて自分の中で組み立てていく時間や曲と向き合ってる時間がよかったなって。
U:僕は性格的にもたぶんあんまり作り込むのが好きなタイプじゃないんですよ。自然とそういうのが出てきてほしいんです。だから今回のレコーディングも「僕は1〜2回のテイクで行こうと思います」って伝えて、隼人さんも「Uはそっちのほうがいいと思う」ってわかってくれて。しかもフルで歌えるからすごく嬉しかったんですよね。パートごとに区切ると自分が思い浮かべる主人公の景色がちょっとぼやけたり、逆にはっきりしすぎたりすることもあるんですけど、1曲通すことで、歌がどんどん情景を纏っていくのを感じられて。あと、僕の声ってすごく特徴があると思うのでメインのパートを担当したときとか“THE BEAT GARDENの声”って認識されやすいんですね。なので変に出しすぎちゃいけないっていう感覚が自分の中にあるんですよ。でも今回は歌割りを決めずに録ったので、そのブレーキを意識せずに思い切り歌えたんです。思う存分、この主人公の女性になっていいんだっていうのがすごく楽しくて。
——最終的な歌割りはレコーディング後に田中さんが?
U:いや、メンバーと隼人さんで話し合って、どれに決まっても完成っていうものを3パターン作ったんですよ。で、ディレクターの方も交えて2パターンまで絞ってから最後は社長にも聴き比べてもらって、これに決まりました。結果としてサビがMASATOの声になったのも僕らとしては初の試みだし、よかったなって。
——たしかにすごく新鮮。腕の見せどころ、聴かせどころですね。
MASATO:「見ないで〜!」って感じです、後ろを向いて歌いたい(笑)。このパンチのあるタイトルのフレーズをどアタマで歌うのって、それぐらいプレッシャーもありますし、本当に歌詞もメロディもアレンジもいい曲なのにサブスクとかで触りの8秒や10秒で判断されるかと思うと、その荷の重さはめちゃくちゃ感じて。でも、みんなで決めた歌割りですし、僕たちの初の試みがみんなにどう刺さるのかなって今は楽しみにもなってきてますけど。
——THE BEAT GARDENの武器がさらに増えたのではないでしょうか。ところでUさんはなぜ今回、「遠距離恋愛」以来の女性目線で歌詞を書こうと思われたんです?
U:最初は男目線で書いていたんですよ。春のラブソングで別れの曲にするっていうのは自分の中でも決めていて。ただ、歌いながら書いていくうちに言葉のパーツとして“なんで?”とか“無理ね”とかが出てきたんです、メロディと一緒に。「ああ、この女の子はすごくつらいんだろうな、自分に何かを言い聞かせてるんだろうな」みたいな苦しさを感じて。それに男目線だと女の子のイヤな部分がなかなか思い浮かばなかったんですよね。むしろ自分が男だからこそ「傷付けたくてやったわけじゃないけど、今考えるともっとちゃんとできたよな」っていう男のダメな部分をちゃんと認められるから、だったら目線を女の子側にして、男の立場であれはイヤだっただろうなって思い返しながら書くほうが自然だったんです。
——わりと実体験に照らし合わせながら目線だけ女性にスライドしていったという感じですか。
U:僕の経験ももちろん入ってるんですけど、一方で「遠距離恋愛」の主人公のあの子がまだ自分の中に残っている感覚もあったんですよ。「遠距離恋愛」のリリースも去年の4月で時期が近いからか、あの二人の風景がすごく残っていて、それを思い出しつつ書いたところもあるんです。あと、コロナ禍が少し落ち着いてきた今、いろんなイベントが始まったりしていますけど、それでも様々な理由で足を運べない人はいるじゃないですか。今まではみんながそうだったのに自分だけ行けないとか、きっとすごく苦しいと思うんですね。「遠距離恋愛」をリリースしたとき、コロナ禍で逆に毎日一緒にいられて嬉しいっていうDMをもらったりもしていたんですけど、最近になって少しずつ世の中が動き出したことで新たな別れが生まれてしまったり……そういう苦しさが僕の中でどんどん溜まっていってたのもあって、今は切なさに寄り添うほうが、ハッピーな春の出会いの歌を歌うよりもいいなと思ったんです。で、「遠距離恋愛」のあの子の続きみたいな気持ちもありつつ、女性目線で書いてみたっていう。
——そのほうがしっくりきたんですね。
U:だから、すごく自然に書けました。書きながらすごく苦しかったですけど、でも、この曲がきっと何か意味を持つだろうと思える、そういう嬉しさもあって。
——ここまで出口のない、苦しさの最中にある心境を描くのってすごく難しいし本当につらかったと思いますが、歌詞の完成にはやはり時間がかかったのでしょうか。
U:めちゃくちゃかかりました。最初は男性目線で3〜4パターンぐらい書いてたんですけど、主人公が別れた彼女との楽しかった出来事を思い返したりしているような内容で、それってもう切り替えられちゃってるよな、みたいな(笑)。そう気付いてから女性目線に切り替えて20〜30回は書き直しましたね。それを二人は静かに待っていてくれて。
MASATO:違う意味で苦しかったです(笑)。もう見てらんない!って。
U:あはははは!
REI:完成に至るまでの過程も全部、ずっと見てきましたからね。どの歌詞も僕は素晴らしいと思ってたんですけど、できあがったものは、ちょっとした言い回しの違いでよりリアル感が出ていたり、本当にすごいなと思いました。自分じゃ書けないので、この歌詞は。Uさん本人もよく言ってますけど、“畳まない服も言い訳も重ねるのが得意で”のフレーズとか、初めて読んだときもシンプルに「ああ、上手だな」って思いましたし。何より“それなのにねぇなんで?”っていう言葉が曲名になったときにすごくインパクトがあったんですよね。今までのTHE BEAT GARDENにない、ハッとする感覚が自分の中にあったので、それをより際立たせたくて今回のこのアートワークになったりもしてるんですけど。
——ジャケットのこのアートワークもかなり新鮮ですよね。
REI:今ってサブスクの時代なので、ジャケットの表示も小さいじゃないですか。少しでも人の目を引くような、かつ春らしい色がいいなと思って、この赤みの強いピンク色にしたんです。春らしくて綺麗な色だけど、どこか切なさもあるというか。同時に、ちょっと女性の涙もイメージさせるような、そういう表現ができたらいいなと思って。
——“それなのにねぇなんで?”というフレーズはわりとすぐに出てきたんですか。
U:最初に出てきたのは“なんで?”でした。で、いろいろ骨組みができてきて、全体の60%ぐらいが見えてきたときに“それなのにねぇなんで?”が出てきて。いつもサビのアタマはすごく悩むんですけど、今回も悩みましたね。
——“ねぇ”が入るのが秀逸ですよね。しかも“ねえ”じゃなくて“ねぇ”、“ぇ”が小さいのがまた効いています。
U:これも悩んだんですよ、“え”にするか“ぇ”にするか。落合渉くんに「どうする?」って聞いたら「俺は絶対に“ぇ”、小さいほうにする」って即答で。僕も“ぇ”のほうが自分に対して嫌気が差しているような、ちょっと自暴自棄で諦めを含んでいるような感じは出ている気がしてたんですけど、渉ちゃんの即答を聞いて、やっぱり間違ってなかったな、と。
MASATO:すごく洗練されたパワーワードだなって思いましたね、このフレーズは。ただ、女性の恋心って僕はわからないので、正直言うと歌詞のディテールにはあんまり共感できなかったんですよ。僕自身、失恋しても「仕方なかったな」っていつかは思えるタイプの人間で。なのでたくさん映画を見たりして、共感できるものを探しました。
——例えばどんな映画をご覧に?
MASATO:15〜16年前の映画なんですけど、「ブロークバック・マウンテン」っていう映画とか。ヒース・レジャーが主演なんですけど、僕、ヒース・レジャーが大好きで、彼が世に知られるきっかけにもなった映画なんです。いろいろ見てる間に、その映画と出会って「ちょっと待てよ」と思って。いわゆるボーイズラブ、同性愛がテーマなんですけど、まだ世界的に多様性が認められていない時代で、お互いに好きだとわかっているのに言えない、みたいな。僕は失恋ってネガティブなイメージがあったんですけど、この曲は少しポジティブにも捉えていて。忘れようとすること自体、その想いの大きさに気づくことだし、そこまで好きになれたのなら好きだった時間も無駄じゃないっていうか。そういう意味ではすごくポジティブな歌だとも思うんですよね。この映画も、誰にも言えない言えない環境下だったり、口に出せない苦しさはあるんですけど、それでも二人で紡いだ時間っていうのはお互いの人生にとってとても意味があったんだなって思わせてくれるストーリーで。これはちょっと通ずるものがあるなと思って歌を録るときにはすごく意識してました。
——その映画も観てみたいです。あの……元恋人であるこの男性も別にひどい人ではないんですよね?友達を大事にするし、おおらかだし。だからこそ彼女だけを大事にするという方向にはいかなかったのでしょうけど。
U:そう、たぶんいい人なんですよ。彼なりに大事にしていたし、彼女も大事にされていた自覚はあって。いい人だったから、なおさらつらいんだと思うんですよ。むしろ浮気とかしてくれていたらよかったのに、そうじゃないから苦しいっていう。
——男性の立場で考えるとみなさんはどうです? この男性に当てはまりますか。
U:僕は浮気は絶対しないですし、服も畳みますよ。でも言い訳は重ねるかな。休みも家の中ばっかりで過ごしますね、僕は。インドアなので、出掛けたいって言われても「やだ」って言っちゃう。LINEの返事がないのにストーリー上げたりしてるのは僕も嫌だと思うので、わりとこの男の子と女の子、両方ミックスした感じかも。
REI:僕は……どうですかね?
U:俺が言ってもいい?REI君は出掛けると思います。で、めっちゃくちゃ畳むし。ただ同時に「私も畳まないとダメだ」っていうプレッシャーも彼女は感じると思います。きっちりしないとイヤなタイプだから、REI君は。やさしいから口では「それでええで」って言うんだけど、言葉にはしなくとも空気で出てるタイプだと思うんですよね。素直だから。どう?
REI:たしかに(笑)。「ええで」って言うけど心の中では……みたいなところはちょっとあるかもしれない。思ってることをそのまま言葉には出さないタイプかも。
U:やさしさだね。でも、それが相手に伝わってしまって、REIのほうも限界が来て。
REI:そう、限界が来るんですよ(笑)。
一同:(爆笑)
U:これで1曲書けそうだね、「それなのにねぇなんで? -REI ver.-」が(笑)。
MASATO:だったら僕バージョンも作れますよ。僕はたぶんここに書いてあることは全部できると思うんです、彼女の望む通りに。でも、たとえ結婚相手でも僕は一生気を遣うタイプなので、僕自身は「ほら、君のこと全部わかってるでしょ?」って思ってても、相手から「本当はそれが欲しいんじゃないのよ」」って思われてる気がする。
U、REI:ああ〜!
MASATO:「そうじゃないの、わがまま言って欲しいの」って言われて「え、そうやったん?」みたいな(笑)。相手を大事にするあまりに遠慮が出ちゃうというか、休みの日も相手が出掛けたいって言ったら出掛けるんですよ。で、結局「あなたの行きたいところに行きたいのよ!」って言われちゃう。
U:いけるね、「それなのにねぇなんで? -MASATO ver.-」も。これ、サビの部分だけ残したら全員いけるんじゃない?(笑)
——聴きたいです、ぜひ。思うのは、この女の子も“嫌だった”って言ってるけど、たぶんその“嫌”も含めて好きだったんだろうなって。
U:そうなんです、わかってくれますか? 嫌なところも受け入れられたんですよね、この子は。そのまま続いて全然よかったんですよ。でも、終わっちゃったんです。
——彼女が終わらせたんでしょうか。
U:どうなんでしょう?でも片方が一方的に振ったということじゃないと思います。すれ違いとかがあって、この子は彼のためを思ったり、彼は彼でこの子を思って、話し合った上で、とかじゃないですかね?
——男性のほうも別れてやっぱりショックだったり……。
U:彼は元気なんじゃないですかね(笑)。別れてからすごく時間が経ってる歌ではないから、きっと彼女のことを時々思い出したりはしてると思うんですよ。「あの子、すごくいい子だったな」とか「もしかして付き合い続けていたら結婚してたのかな」とか思ったりして。でも、どこかでこの子じゃないって思う何かがきっとあったんじゃないかな。
——話を聞けば聞くほど切ない!ほんと最初に聴いたとき「これって地獄じゃん」と思ってしまいましたから。こんなに救われないことはないよって。
U:本当に。でも、だからこそリリースできてよかったです。ここからですよ、この曲は。いろんな人に聴いてもらってこの子が報われるまで歌い続けなきゃダメだと思ってます。ちゃんと僕らのことを知ってもらって、THE BEAT GARDENといえばこの曲って言われるくらいにならないとなって。ライブでこの曲を聴いてもらうのもすごく楽しみなんです、今。
——ライブといえば、いよいよTHE BEAT GARDEN史上、最大規模となるワンマンツアー“in your tour 2022”がスタートしますね。
REI:はい!ライブをしている瞬間ってやっぱり生きがいなんだなってつくづく思うんですよ。今年3月に出演したイベントで5曲ほどやらせていただいたんですけど、ああやっぱりライブが好きだなって改めて感じる瞬間が何度もあって。家に帰ってひとりになるとまたライブが恋しくなるし、また早く次に会いたいって気持ちが自然と生まれてきて。そういう気持ちを引っ提げて挑んでいきたいですね。今回はさらにTHE BEAT GARDENの今に特化したライブにできるように個人的にトラック制作も始めていますし、また違った一面を携えてみんなのところに会いに行けるのがすごく楽しみなんです。
MASATO:千葉の柏PALOOZAとか、僕らインディーズのときに本当にお世話になっていたんですよ。縁のある場所で初めてワンマンができるのも大きいですし、僕としては地元の滋賀に今回初めてワンマンで凱旋できるのもすごく嬉しくて。何より全国のBeemerとした「また会おうな!」って約束をようやく果たしに行けるのが楽しみで仕方ないです。時間はかかっているグループですけど、そんな僕たちのことをずっと応援してくれているBeemerたちにこれくらい進化したよ」「こんないい曲できたよ」ってしっかり届けて安心させてもあげたいですし、さらに自慢してもらえるような、これからもっと大きくなっていくことを新たに約束できるような、そんなツアーにしたいと思ってます。
U:実力的にもまだまだな僕らが、会場もより大きくなって、行ける場所も増えて、そうやってみんなに会いに行けるのってもうBeemerがくれたプレゼントでしかないと思っていて。感謝の気持ちを届けるためにも僕らはめちゃくちゃ本気で楽しみますし、みんなにも1公演1公演、全力で楽しんでほしいんですよ。昔からずっと応援してくれている方にも最近知ってくれた方にも心から楽しんでもらえるようなセットリストを作っていますし、そういう表現をめいっぱい用意して行きますので。新生THE BEAT GARDENとしてやっと全国のBeemerに会いにいけるツアーでもありますし……もちろんSATORUがいた頃と地続きではありますけど、どんどん進化し続けて、これまでをさらに超えていきたいですね。
文・本間夕子