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懐かしさと新しさが共存している作品を求めていました。
鶴田一郎さんの作品集を見させて頂いた時にその両方はもちろん、美人画という所でもこの曲の世界観にこれ以上に寄り添ってくれる作品はないと確信しました。

THE BEAT GARDEN U

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念願のファンクラブ発足、待望の新曲リリース。ここにきて立て続けに届けられたニュースにどれほど歓喜し、胸躍らされたことだろう。DJ SATORUの卒業から約3ヵ月が経ち、いよいよTHE BEAT GARDENが新たな動きを見せ始めている。
「ウラ庭」と命名されたファンクラブではすでに魅力的なコンテンツが次々にアップされ、彼らの素の表情を存分に楽しませてくれている一方で、11月29日に配信リリースされる新曲「ROMANCE」では 新境地とも呼びたいサウンドメイクとこれまで以上にグッと好きの瞬間にフォーカスしたラブストーリーが絶妙に絡み合った、ネクストフェーズを感じさせる仕上がりで聴く者の心を掴んで離さない。
「花火」や「Snow White Girl」これまでの楽曲でUが描いてきた不器用で奥手な片想い男子が踏み出した一歩にキュンが加速すること請け合いだ。さらに12月には大阪、東京の2都市にて新体制となって初のワンマンライブ“THE NEST 2021”も決定、 「ROMANCE」もライブ初披露されるという。新しい風が吹きつつあるTHE BEAT GARDENの今、そして未来とは。たっぷりと話してくれた3人は、こちらが拍子抜けするほどに自然体なまま、クリアな視線でゆく先を見据えていた。
——新体制となって3ヵ月が経ちますが、やはり変化はあったでしょうね。
U:実は、メンバーで部屋を借りたんですよ。別に一緒に住んでいるわけじゃなくて、狭い部屋ですけどメンバーだけの溜まり場にしようと思って。
そこには新しくサポートDJをお願いしたkowta2もいて、ほぼ毎日、4人で会ってるような感じですね、今は。
これはこれで新しいTHE BEAT GARDENの形なのかなって思います。
——kowta2さんはどういった経緯で参加されることになったんですか。
U:それこそ僕らが事務所に入る前のずっとkowta2はライブに来てくれてるんですよ。もしかすると、いちばんBeemerで。だってSATORUよりもkowta2のほうが僕らのライブに来たの、早いですからね(笑)。
MASATO:たしかに(笑)。
U:もちろんSATORUとも交流がありますし、サポートDJをkowta2にお願いすることもSATORUと一緒に決めたんです。
——意識的にはどうですか。3人になったと感じる瞬間とか。
U:それはありますよね、やっぱり。今回のアー写もMVも、当たり前ですけど、3人での撮影になるじゃないですか。
3人になったことを如実に感じてしまう瞬間はきっとそれぞれにあって。でも、それについてはあんまり話さなかったね。
MASATO:そうですね。
U:「SATORUがいないね」とか「3人か」みたいなことはほとんど口にしてないです。
——それはあえて?
U:たぶん、そうじゃないかな。みんなはどう? 違う?
MASATO:いや、同じだと思います。
REI:うん。
U:とはいえ、SATORUと作ってきた曲や一緒にやってきたことがなくなるわけじゃないし、今だって連絡を取り合ったりもしているので、意識的に何か大きく変わったってことでもないんですよ。
ただ、実際3人になりましたし、どうしても“新体制”って言わなきゃいけない場面もあって。
でも、それは変わりたくないっていうような、後ろ向きな気持ちじゃなくて、これから先、どんどん変わっていくところもあると思うんですね。
kowta2もSATORUのあとを継いで頑張りますって言ってくれていますけど、スタイルは絶対違うものになるはずですし、むしろそれでいいと思っていて。
そうなったからといってTHE BEAT GARDENからSATORUの存在が消えることはないですし。ほんと自然とTHE BEAT GARDENを続けてるっていう感じなんです。
——そうしたなか、ファンクラブ「ウラ庭」の発足という嬉しいニュースもありました。
U:実はファンクラブの設立は2020年1月の新木場STUDIO COASTのワンマンが終わってすぐの予定だったんです。
ミツバチの日、3月28日に設立する予定で一昨年の冬から動いていたんですけど、SATORUの事情があったとの、コロナ禍が迫ってきた時期でもあって。
SATORUが在籍している段階でファンクラブを設立しても、その後にSATORUが卒業するとなったら余計にBeemerを悲しませてしまうじゃないですか。
なので、まずはSATORUの卒業にフォーカスして活動していこう、と。で、コロナ禍も落ち着いてきた、このタイミングになったんです。
——満を持しての設立になるんですね。
U:はい。2年間ぐらい、ずっと黙ってなくちゃいけなかったから苦しかったです。コロナ禍が収束するのもいつになるかわからないから。
MASATO:でも今、このタイミングでよかったなって思います。SATORUの卒業を前向きに受け入れられないっていうBeemerもきっとたくさんいるでしょうし、それが当然だと思うんですよ。
だから新体制のTHE BEAT GARDENから何か嬉しいニュースが届いたとしても、どんなニュースであれ、そこにSATORUの存在を探してしまうのもわかるんです。
上手く言えないんですけど……そうしたなかでファンクラブ設立というニュースを真っ先に届けられたのは特によかったなって。
Beemerみんなの想いをちゃんと受け止められる場所、より親身になれて、それをしっかり伝えていける場所ができたことが僕たち自身、本当に嬉しいんですよね。
——変な言い方になりますが、より安心感が増した気がしました。
ファンクラブという場所が生まれたことで、心の拠り所にしっかり土台ができたような。
ちゃんと次があるよ、一緒に進んでいくよって約束された実感があるんです。
MASATO:そうですね、確約みたいな。
REI:僕自身はどんなに好きなアーティストでもファンクラブに入ったことがないんですよ。
だからこそ自分がいるグループのファンクラブがようやく作れたこと、そして僕たちに出会ってくれて……きっとSATORUさんのこともあって、入ろうか入るまいか悩んだ人もたくさんいると思うんですけど、結果、こうやって「ウラ庭」に集まってきてくれていることが本当に嬉しくて。
単純に自分たちのことをより好きになってもらえたらいいなっていう気持ちもありますし、ファンクラブを大切にしていきたいっていう気持ちが日に日に強くなってますね。
——そして、さらに嬉しいニュースとして待ちに待った新曲「ROMANCE」が11月29日に配信リリースされます。
U:はい、ありがとうございます!
——THE BEAT GARDENとしての意識は特に変わらないとおっしゃいましたが、それでもやはり新しい風をこの楽曲から感じまして。
サウンド的にも新境地、J-POPをベーシックにしながらもこれまで標榜されてきたEDRとはまたテイストの違ったエレクトロ感というんでしょうか、 どこかレイブミュージック的ニュアンスもあって。
ちょっと古めかしいディスコソウルなテイストと最先端エレクトロを合体させつつ、単なる歌ものではないところに着地させた、新しいTHE BEAT GARDENの音像になっている気がしたんです。
ボーカルもオケもよりひとつの塊になって届く、音の一体感もこれまで以上で。
U:サウンドの一体感は大事にしたいなと思ってましたね、今回。マスタリングでもワーっと声を前に出すのではなく。
男性ボーカルの高音がブームになっていて、いつもだったらそこを映えるようにしていたと思うんですけど、今回はノリやすいサウンドというのを軸に考えていて。
おっしゃっていただいた古めかしさみたいな部分も意識していて、「あえてわかりやすく古臭い80年代90年代のサウンドを入れつつ、いかに最新のトラックとして表現できるか」ってところを今回アレンジをお願いしたESME MORIさんにREIが中心になって話してくれていたんです。
——作曲はREIさんが手がけられていますよね。どういったイメージから作られたんですか。
REI:冬にリリースするということと、ミドル〜ミドルアップなテンポの曲というのがテーマとしてありまして。
ただ、普通にミドルものを作るのではなく、何かもうひとつ自分のなかでのテーマを設けたいなと思ったんです。
時代的な流れもそうですし、個人的に80's、90'sサウンドを聴いてインスパイアされたりもしているので、THE BEAT GARDENにもそういう要素を取り入れたいなって。なので、そういったサウンドに合ったメロディを意識しつつ作っていった感じです。
——ではメロディから作っていった?
REI:いつもそうなんですけど、ピアノでまずコードを弾きつつ、メロディを弾きつつ。メロディとトラックを両方イメージしながら作るタイプなんですよ。
コードを弾いて、なんとなくこういうのが合いそうだなっていうものを形にしていって。
——ESMEさんとはこれが初めてのタッグですよね。
REI:はい。ESMEさんの手掛けられたトラックを普段からよく聴いていて、アーバンなトラックを作るのがとても上手な方だなという印象を持ってたんです。
自分のなかの、ご一緒したいトラックメイカーさんのリストにESMEさんも入っていて。
さっきUさんが言ったように今回は“現在と過去の共存”もテーマのひとつだったので、だったらESMEさんにお願いしたらすごくハマるんじゃないかと思って、メロディができた段階でオファーさせていただいたんです。
——ESMEさんとはどんなやり取りがあったんでしょう。
REI:音楽だけのイメージだったので、どんな方なんだろうっていろいろ想像してたんですけど、実際にお会いしたらすごく穏やかで丁寧な方で。
こういうご時世なのでやり取りは主にリモートさせていただいたんですけど、離れているのに一緒に作らせてもらったっていう感覚がすごく大きかったです。
レコーディングにも来てくださって、ボーカルディレクションもしてくださったんですよ。
U:ESMEさんご自身がシンガーソングライターでいらっしゃるんですけど、ディレクションを受けながらそれをすごく感じました。最初は僕、トラック優先にした歌のはめ方を自分で用意していたんですよ。
断片的なシンセが映えているサビなので、そこを強調するのかなと思ったら、メロディや歌詞の意味も大事にしてくださって、言葉の発し方のディレクションまで細かく考えて来てくださったんです。
トラックに歌を単にはめるだけではなく、プラスでニュアンスも出る方向に持っていてくれたりとか差し引きがすごく上手で。すごく勉強になりましたし、また一緒にやりたいってレコーディング中、何度も思いました。直接お伝えしましたけど(笑)。
MASATO:すごくこだわってトラックを作ってくださったと思うんですけど、それを強要することなく、僕たちの要望もきちんと受け止めながら寄り添ってくださって。
曲の世界観を出すためにはどうすればいいのかを最優先してチョイスしてくださったので、僕もシンガーとしてのこだわりをすごく出せた感覚があるんです。
——とてもいい出会いだったんですね。今回のトラックってシンセもたくさん入って華やかですけど、「Snow White Girl」のようなキラキラ感とはちょっと違うというか、むしろギラギラと言ってもいいくらいの押しの強さがあるじゃないですか。
歌詞にもちょっとそういうところがありますよね。ついに強気男子の登場か!?みたいな。
U:そうなんですよ、結構、強気にいきました、今回は。
——とはいえ1番なんかはじれったかったですけどね。女の子がこんなに頑張ってくれてるのに、なんで主人公はそこで手を握らないんだよ!って(笑)。
U:そう感じていただけたなら、よかった(笑)。
——歌詞はどういったテーマで書かれたのですか。
U:結構、前から冬はラブソングをリリースしたいねって言っていて、コンペでも、みんなラブソングをイメージしたメロディを作っていて。
で、今回はREIの曲に決まったんですけど。ESMEさんに渡す前の段階のデモも80's、90's感がめちゃめちゃあるでもトラックだったので、それを聴きながら書き始めたんですね。そこで思ったのが、ますトレンディ感を出したいなって。
——トレンディ感?
U:80's、90'sのリバイバルだということを、フワッとではなくはっきりと歌詞でもわかる部分を作りたいって思ったんです。
でも、それってなんだろう?って考えたときに小田和正さんの「ラブ・ストーリーは突然に」が浮かんで。
REIもメロディにそういう雰囲気は感じてたって言ってくれていたし、僕もそれをすごく感じたので、何度も聴いて、ドラマ『東京ラブストーリー』も何度も観ていくなかで……「ラブ・ストーリーは突然に」のサビで“見知らぬ二人のまま”って歌詞があるじゃないですか。
あの“まま”の感じをどこで入れたらいいんだろう?って考えたんですよ。それが、今回のサビの“今”なんです。
——なるほど!
U:歌い方も、最初はもっとメロディが繋がってる感じだったんですよ。“いま〜き〜みの〜”って繋がってたのを、“いま、き〜みの〜”って一旦、区切ったのは小田さんインスパイアで。
その“今”という言葉がまずパーンと出てきて、そのあともトレンディ感を探しながら何回もメロディをラララでスキャットみたいに歌っていくうちに最後のサビの“今日は帰さない”が出てきてくれて、絶対これだ!と。そこから書いていったんです。
——つまり歌詞を書く作業自体、“今日は帰さない”にたどり着くまでの物語だったわけですね。
U:そうなんです。「オマエはどうやって帰さないんだ?」って主人公の“僕”に問いかけながら書いていった感じですね。
——Uさんの描く奥手な男子をずっと追いかけてきた身としては、ようやく前に進んだかと心の中でガッツポーズでした。
一同:あははははは!
——だって「花火」からですよ?
MASATO:3年か、長かったですね(笑)。
U:しかもまだゴールし切れたわけでもないっていう(笑)。でも、さっき言ってくださったように、今回は相手の女性がすごく頑張ってくれているじゃないですか。
“僕”も気持ちを伝えたらきっと付き合える、みたいな日なんですよ、状況としては。でも、そういう瞬間を感じると男って余計に怖くなるんですよね。
MASATO:わかります(←深く頷く)。
U:相手は99%、OKしてくれるんだろうなって思ってるのに怖いんですよ。お付き合いする前の、きっと誰もが迎えるそういう瞬間を切り取れたらいいなと思ったんです。
——何が怖いんでしょうね。
U:要は“好き”の最高潮まで高まってるわけですよ、その時点で。
付き合う前の段階で、相手のことを知れるところまで知った、その上で欠点さえもかわいい、愛おしいと思う自分になれた、向こうもそういう自分を受け入れてくれてるんだろうなって思うのに、もしもその先、今の最高潮から転落したら……?っていう。
その高低差ってものすごいじゃないですか。“大好き”が最高に膨らんだ状態から、もしもそれが割れてしまったら、っていう怖さ。めちゃめちゃ考えません? みんなはいけるって思うのかな。
REI:いや、思わないですね。僕も一緒です。
U:MASATOはどうなの?
MASATO:僕はそこに至るまでに自分の術は全部使っているので、これでフラれたら仕方がないって結構、割り切れてるかもしれないですね。
——じゃあMASATOさんは、この歌詞のシチュエーション……例えばいつもより赤いリップをつけてきてくれたり、手を握ってほしそうだなと思ったら迷わずGOですか。
MASATO:それは……駆け引きかなぁ。
U:そう、それなんだよ!
——この期に及んで駆け引き?
MASATO:完全に相手が自分のことを好きってわかってたら行きますけど、そうじゃなかったら好きにならせないといけないじゃないですか。この感じはまだ駆け引きを繰り返さないとダメな気がする。
——みなさんがそれぞれどういう感情でこの曲を歌われていたのか、とても気になります。
MASATO:僕はいちばん最後のサビのブロックが好きで。どの1行とかじゃなく、最後のブロックがトータルで好きなんです。
このサビから自分なりのストーリーを前後に派生させることもできるじゃないですか。歌っていて、その自分なりのストーリーにもキュンとするんですよ。
たぶんこういう恋がしたいんだろうなって、そう思いながら歌ってます。自分なりのドラマが生まれて、その主人公だったらいいなっていう感覚ですね。
——その感覚って今までにもありましたか。
MASATO:今まで僕は楽曲の主人公になりきってたんだと思うんです。自分がそうだったらいいなっていう羨ましさではなく。
でも、ここには見ている人が羨ましくなるような恋模様の一瞬が描かれているので、それにちょっと憧れるというか。だから今回は僕、この曲の主人公にはなってないんですよ。そこはちょっと変化かもしれない。
U:恋してるの?
MASATO:いや、恋したいんだと思います。こんな恋がしたい。
U:なるほどね。
REI:言いたくても言い出せないとか、伝えたいのに最後の勇気が出てこないっていうのは僕、実際に経験があるんですよ。それこそ僕が歌ってる2番の歌詞のパート、“同じ季節のはずなのに/僕だけ汗ばんでしまうから”とか、まさにそうで。
この歌詞みたいなキラキラしたところでデートしてたんですけど、気持ちを伝えたくても言えなくて、実際、汗ばんでる自分がいて。だから、この歌詞をもらったときは、そのときの記憶がバーッと蘇ってきて(笑)。
U:おお、いいね!
REI:だから、この主人公の気持ちも汲み取りつつ、今回は歌えたんじゃないかな、と。結局、その恋は実らなかったんですけど(笑)。
——ちなみにボーカルパートの割り振りはどんなふうに決めたんですか。
U:今回、僕は1番のヴァースを歌わないっていうのを大きなテーマにしていて。
REIもMASATOもずっとボイトレを頑張ってるし、そこはふたりに歌ってもらいたくて。
それ以外のところは、僕が歌詞を書きながら「ここはREIだな」「MASATOだな」って思っていたのをもとにしていて。
さすがにもうわかってくるんですよ、「ここは絶対、REIがいい」とか「MASATOはこっちのほうがセクシーだな」とか。なので、それをもとにしつつ、みんなで話しながら割り振っていきましたね。
———そうなんですね。ではUさんはどういった気持ちで歌ってらしたんでしょう。
U:この歌詞は実体験というよりも、このふたりの気持ちにピンポイントで入り込んで書いていったので、そういう歌い方になってると思うんですよ。
一瞬を切り取りつつも歌詞のなかには経過があって、主人公の気持ちにも変化があるじゃないですか。例えば最初の“すぐに触れたくて 大事にしたくて”は、今夜どうしても一緒に過ごしたいっていう気持ちと、でも大事にしたいのにっていう気持ちが戦っているような状態で。
でも最後の“すぐに触れたくて 大事にしたくて”は、そこまでにもう彼女がたくさんチャンスをくれているのもわかったいるし、俺は絶対にこの手に触れるんだ、肩を抱き寄せるんだっていう覚悟と、そのうえで絶対に彼女を大事にするんだっていう決意に変わってるんですね。
その変化を歌い方でもつけていて。
なので1回目はビブラートを細く不安定に出しているけど、2回目はもう少し真っ直ぐに歌っていたり、同じ言葉だけど譜割りも変えて、最後のほうは“したくて”を“したくって”って、小さい“っ”を入れたり、細かいところまで意識した歌い方をしてるんです。
——じれったさにハラハラしながらも最後には「よかった、一歩踏み出せた!」ってものすごく感情移入しながら聴けたのは、そういう3人それぞれの想いや意図がしっかり歌に作用していたからなんでしょうね。
U:ありがとうございます。嬉しいです。
——また新たなフェーズに突入されたことを実感した1曲でした。ジャケットもまた今回はおしゃれで大人っぽくて。
U:目指していたのはやっぱりレトロと洗練された新しさの融合で。
今回、画家の鶴田一郎さんが絵を手掛けてくださったんですけど、最初にスタッフから80's、90'sをイメージしたこのロゴを、鶴田さんのこれまでの絵に重ねた画像を見せてもらったんです。
すごくいい化学反応が起こっていて「これ、いいですね!」って。
恥ずかしながら鶴田さんのことをしっかりとは存じ上げていなかったんですけど、この絵のタッチは記憶していて、自分でも調べてみたら80年代後半から90年代後半にかけて約10年、コスメの広告に起用されていたことを知ったんです。
——ノエビアの「コスメティックルネッサンス」シリーズですね。美人画を描かれる、とても有名な方です。
U:当時まだ子供だった僕らも目にして覚えているくらい、すごい方なんだなと思って、ダメもとでオファーをさせていただいたら「ぜひ」と快諾してくださったんですよ。
ロゴを絵に乗せることもお伝えしたら、それも構わないとおっしゃってくださって。おかげで超素敵なジャケットになりました。鶴田さんの作品って目が一重で切長の古風な日本美人に、フランスとかヨーロッパ風のモダンな洋服を掛け合わせていらっしゃるんですよね。
J-POPなメロディを作りながら洋楽テイストを取り入れていたりもする僕らの音楽スタイルとも通ずる部分があるんじゃないかなって。
——トータルでとても完成された作品になっていますよね。ところで「ROMANCE」以外にも曲は作っていらっしゃるんですか。
U:この先のリリースとか現時点ではまだ決まってないんですけど、めっちゃ作ってます。昨日も夜中まで作業していたし、週に1〜2曲は作ってますね。楽しいんですよね。kowta2からもすごく刺激を受けますし。
彼はもともと自分のアカウントで配信したりしてるくらい音楽好きの子で、僕らより結構年下なんですけど、いい意味で彼に感化される部分がいっぱいあって。
あと、やっぱりメンバー用の部屋を借りたのは大きいです。REIなんて朝から夕方4時くらいまで毎日、発声練習してるもんね。
REI:欲しかったんですよ、そういう場所が。歌える環境が整っている家なんてそうそうないじゃないですか。毎日、スタジオとかをレンタルするのもなかなか大変ですし、防音ブースも完璧なものは高価出し、そもそも自宅に置けないですし。
そういうなかでようやくやりたいことが伸び伸びとできる環境が整って、何よりメンバーでパッと集まれる場所が設けられたことが、ほんとに大きくて。
そこで音楽をしている時間も、していない時間も、今のビートには必要な気がするんですよね。
すごくいい風が吹いているのを感じてます。
——さて、12月には大阪と東京でワンマンライブ“THE NEST 2021”も決定しています。kowta2さんが加わった新体制の初お披露目ともなりますが、どんなステージにしたいですか。
REI:kowta2くんを誘ってサポートメンバーになってもらったっていうところで、すごく責任感も感じつつ……やっぱりSATORUさんの卒業以来、Beemerのみんなと会えていない状況なので、少なからず心配な想いをさせてしまってると思うんですよ。
なので早く観てもらって安心してもらいたい。
MASATO:最初に言ったように「THE BEAT GARDENは3人になった」とか「新体制でやっていくぞ」とか、そんなふうには特に意気込んでいないので、僕はその変わらないものを感じてほしいなと思ってます。
もちろん進化という形で変化しているTHE BEAT GARDENはこれからちゃんと見せていきたいですけど、今回はその布石と言いますか。
SATORUのことでダメージを食らっているBeemerもたくさんいると思うし、でも今まで応援してきたTHE BEAT GARDENのライブだからという理由ひとつで来てくれる人もいると思うんですね。
そういう人たちにもよかったなって思ってもらえるものにしたいですね。来年からは本当に大事な時期に入っていくことを自分たちの間でもずっと話しているんですよ。そんな僕らと一緒に歩んでいきたいって思ってもらえるようなライブになったらいいなって。
U:MASATOは変わらないって言いましたけど、僕的には正直、めちゃめちゃ変わってるとも思うんですよ、逆に。同じことをやっても絶対に違ってくるはずなんです。
「変わったね」をいい意味で言ってもらえるような、そんな僕らを観てもっと好きになったとか、今までそうじゃなかった人が好きになってくれるとか、そういうものでなきゃいけないと思っているので。
想いの部分では変わっていない自信があるので、逆に今まで応援してくれてた人たちに「変わったけど、すごく良くなった」って思ってもらえるライブにすることがSATORUへの恩返しだし、Beemerみんなへの恩返しでもあると思うので、本当に特別な1日にしたいですね。
初お披露目と言えるのはここしかないので、みんなをびっくりさせたいって本気で思ってます。
——今回も1日2公演開催となりますが、2部制はもうお手のもの?
U:実は今、各自めちゃめちゃトレーニングをしていて。正直、2回公演はめちゃめちゃキツかったんですよ(笑)。なんか普段と違う筋肉を使うんです。1500m走から400m走2本に変わった、みたいな……わかりにくいか。
MASATO:でも、そういう感じ(笑)。
REI:しかも1部と2部の間の空き時間って休めないんですよね。休んでしまうと2部のスタートでベストな状態に持っていけないんです。1部が始まってから2部の終わりまで、みんなに会えない時間もずっと整えているというか。
U:ほんと大変なんですよ、あの時間は。あと、まだ言えないんですけど、今回はいつもと違うコーナーを設けていて、そこも詰めないと行けないしね。今回、1部と2部でセットリストを変えるんですよ、全曲変えようと思ってて。
REI:同じ曲は初披露の「ROMANCE」だけかな。
U:それ以外は全部変わるので、空き時間もさらに気を抜いてる暇はないかもしれない。でも、それがめちゃくちゃ楽しみなんです。
——最後に2022年に向かう心意気をお願いします。
U:来年は本当にヒット曲を出しますので。そして来年末にはZeppでのライブを発表できるように頑張ります。これはしっかり書いておいてください。
MASATO:今まで「いつか東京ドームで」みたいなことは言ってきましたけど、具体的に「あの会場に立つために」っていうことはやってこなかったんですよ、あえて。燃えています、今。
REI:ぜひ一緒に歩んでください!