かけがえのないファンとの絆を改めて確かめ合った特別な1日、 最高の笑顔に溢れたファンクラブ限定イベント・庭宴歌謡祭 Vol.2をレポート!

2024.06.15


 “居場所”とは何か。インターネットの辞書で調べたら「1 人などがいるところ。いどころ。2 その人が心を休めたり、活躍したりできる環境。」(出典:デジタル大辞林)、「① 人などが住んでいる所。居どころ。② 人が、世間、社会の中で落ちつくべき場所。安心していられる場所。」(出典:精選版 日本国語大辞典)と書かれてあった。この日、彼らが幾度となく口にしていた“居場所”はきっと、それぞれの辞書の2番目に記されている語意に限りなく近いものだろう。THE BEAT GARDENにとっていちばん心を許せて素のままの自分をさらけ出せる存在、すなわち3人が親愛を込めて“Beemer”と呼ぶ大切なファンと向き合うために、遡ること2年8ヵ月前、満を持して立ち上げたオフィシャルファンクラブ「ウラ庭」がよりいっそう、そうした場所へと育ち続けていること。前回から約2年ぶりに行われた2度目のファンクラブ限定イベント“庭宴歌謡祭 Vol.2”にはっきりと確信する。揺るぎない絆から生まれる信頼に満ちた温かな空気。なんとかけがえのないものか。

  • 庭宴歌謡祭 Vol.2


 開催されたのは6月10日、会場は東京・渋谷WWWだ。“1次会”“2次会”とそれぞれに冠された2部制の公演は、平日にも関わらず、両公演とも早々にソールドアウトしたことからも「ウラ庭」のみんながどれだけこの開催を待ち侘びていたか、ありありと伝わってくる。筆者は2部にあたる“2次会”に足を運ばせていただいたが、客席の扉を開けるや溢れ出さんばかりの晴れやかな熱気にはたちまち圧倒されてしまうほど。とはいえ、それは他者を威圧する類のものではなく、むしろとてもフレンドリーでアットホーム。同じアーティストを応援する者同士の柔らかな共感が醸し出すピースフルなムードに、たちまち包み込まれる心地よさはいつものライブ以上かもしれない。

 振り返ればほぼ2ヵ月前となる4月13日にグループ史上最大規模となる初めてのZepp DiverCity(TOKYO)ワンマン公演を大成功に納めたTHE BEAT GARDEN。大舞台の直後に選んだステージがファンクラブ限定イベントであり、しかもWWWという比較的小規模で客席との距離がとても近いライブハウスだというのも実に彼ららしいと思う。互いを想う気持ちと気持ちの間に距離など存在しないことはZepp DiverCity(TOKYO)のライブでもすでに証明済みの3人ではあったものの、やはり物理的な近さは素直に嬉しいものだ。今回の“庭宴歌謡祭”にこの会場を選んだのも、2部制としたのも、誰よりファンファーストな彼ら自身がそれをわかっているからなのだろう。

 まもなくのスタートを告げるかのように俄然、BGMの音量が上がった。GREEN DAYの「Basket Case」だ。アッパーなサウンドに乗って場内いっぱいにオーディエンスの手拍子が響く。オープニングSEに切り替わり、緑、黄色、オレンジと、みるみる高まる興奮に連動するようにして色を変えるライトに照らされたステージにU、REI、MASATOが飛び出してきた瞬間、WWWの熱狂は早くもMAXに振り切れた。1曲目を飾ったのは「Just like strange rain」。2016年、まだTHE BEAT GARDENがインディーズで活動していた時代にリリースされた記念すべき1stミニアルバム『Air』収録の楽曲にして、ここ最近のライブではほとんど披露されていないレア曲がいきなりオープナーとなったことに客席も驚きを隠せない。歓喜の悲鳴が渦巻くなか、エモーショナルかつドラマティックに歌声を重ねては所狭しとステージを行き交う3人。THE BEAT GARDENのルーツであるEDR(エレクトリックダンスロック)を存分に轟かせ、会場を容赦なく昂揚させていく姿はまさしく水を得た魚を彷彿させる。そのまま「answer」となだれ込めば、勢いはもはやとどまるところ知らず。「そんなもんですか?」「すぐ終わっちゃうぞ!」とわざと挑発的に煽るUに、オーディエンスもシンガロング&ハンドクラップの嵐で応えるなど、ステージと客席の一体感もますます強固に膨らんでいく。

  • 庭宴歌謡祭 Vol.2


「こんにちは! “庭宴歌謡祭 Vol.2”、2部へようこそ。普段のワンマンライブだと、どうしてもたくさんの人が聴いてくれている曲を優先してしまいがちなんですが、今日はファンクラブライブということで、僕たちもわがままにセットリストを組んでいます!」

 Uがそう挨拶し、今日の選曲の意図を明かすとやんやの喝采に沸く場内。続いてREIが「2部のみなさん、楽しんでますか! さっき1部終わりでお見送りをさせてもらったんですけど、みんなの笑顔を近くに見られたことがすごく嬉しくて。2部も幸せになって帰ってもらえたらと思っています」と語りかけ、MASATOも発足から2年8ヵ月、ファンクラブを続けてこられた感慨を噛み締めながら「何かを続けるって大変なことやん? 僕らも音楽を続けるのは大変だけど、みんながファンクラブに入り続けてくれているのが本当に嬉しいし、こうしてVol.2を開催できたことを感謝しています」と心からの想いを口にする。この2年8ヵ月の間には男性ファンもかなり増えたらしく、グッと太さを増した歓声に嬉しそうに耳を傾ける3人の表情がなんとも印象的だ。

 REIのたおやかなキーボード演奏からスタートした「君は知らない」もなかなか生で耳にする機会の少ない楽曲のひとつだろう。序盤の熱狂をやさしく鎮め、歌詞に綴られた言葉にできない感情やメッセージを一人ひとりの心の奥までそっと、けれど確実に届けてはじんわり温める3人の歌声。特にサビのハーモニーは格別で、切実に歌い上げられる“君が好きなんだ”にがっつりとハートを鷲掴みにされてしまう。

  • 庭宴歌謡祭 Vol.2


「本当に身内みたい。ホンマに嬉しいな。次は6枚目のシングルから1曲お届けします」

 そんなREIの曲紹介のあとに流れてきたアコースティックギターの音色に客席のあちこちで「ああ……」と歓喜のため息がこぼれた。「あのね」だ。上手くいかないことや無駄に思えてしまうこと、日々壁にぶつかりながら悩みもがく私たちに寄り添い、“君以外に君はいないんだよ”と存在を丸ごと受け止めて、それが彼らの歌う意味とここにいる理由なのだとはっきり肯定してくれる歌、「あのね」。6thシングル「花火」カップリングでありながら、この曲が高い人気を誇っているのは、彼らの嘘のない気持ちがこの上なくストレートに表現されているからだろう。かっこいい言い回しや綺麗事に逃げない、不器用でも目を逸らさず一人ひとりの本音に向き合おうとする3人の真摯さにこれまでもどれだけ救われてきたかしれない。もちろんステージと一緒になって“Oh oh oh”と歌うオーディエンスにとっても、彼らの存在はありのままこの世に生きる意味と理由になっているはずで、だからこそこの空間はこんなにも美しいのだと思えた。

  • 庭宴歌謡祭 Vol.2


「みんな、家族とか、恋人とか、友達とかのなかに居場所を見つけられない瞬間があったりするかもしれないね。俺らもそうなんだよ。そういう気持ちを重ねながらTHE BEAT GARDENの音楽を聴いてくれていることを知れば知るほど、その歌はもうみんなのものだって思う。俺たちのものなんだって」

 ライブパートも終盤となったMCで、ふと、そう切り出したU。彼のいう“俺たち”とはTHE BEAT GARDENと今、彼らの目の前にいる全員を含めた「ウラ庭」メンバー、彼らの音楽をこよなく愛してくれている人たちすべてを指しているのだろう。曲を作っていたときには自分自身も気づいてなかった意味を教えてくれるのがライブで、だからこうして一緒に過ごせる時間がとても大事なのだとさらにUは言葉を紡ぐ。俺らはあなたのことが大好きだから、居場所になりたいと思っていること、一生懸命歌い続けて、この日みたいな時間をたくさん作って行きたいと誓い、「これからも一緒にいてください」とグループを代表して、まっすぐに胸の内を差し出すUに満場の拍手が注いだ。

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 そうしてライブパートは「Start Over」が締めくくった。ただし“庭宴歌謡祭 Vol.2”の「Start Over」はUいわく「今日限り」。なんと原曲を歌っている韓国のシンガー・Gahoの許可を得て「Start Over」のオリジナルアレンジとTHE BEAT GARDENの「Start Over」を繋いだスペシャルバージョンで披露するのだという。3人がこの日のために準備してくれた特別なプレゼントに驚喜するオーディエンス。両者の違いに耳をそば立てながらも、サビではいっそう力強く大合唱、エンディングに向かって最高の盛り上がりを見せた。

 だが当然、それで終わる“庭宴歌謡祭 Vol.2”ではない。ファンクラブ限定イベントのお楽しみといえば、やはりゲームパートだろう。司会進行役として登場したのは福岡のラジオ局・LoveFMでDJを務め、また、シンガーとしても活躍するALEX。THE BEAT GARDENとは5〜6年ほど前に福岡のラジオ番組で出会って意気投合、なかでもUとは常に連絡を取り続けているという。

 無二の親友を迎えてのわちゃわちゃムードで始まったこのコーナー、最初のゲームは「どっちが○○でSHOW!!」だ。出題された二択のうち、どちらが本物かを当てるゲームであり、第一回戦は文豪・ゲーテの名言と、前回“庭宴歌謡祭 Vol.1”にて同様の企画に抜擢され、息子をもまんまと欺いたMASATOのお父上が今回も選択肢として参戦、手ずから作成した文言とが出題され、どちらがゲーテのものかで争われるという。それを聞き、膝からくずおれるMASATOに爆笑が起こる。ちなみに問題は「A.人間の最大の罪は不機嫌である。」「B.感情を支配してこそ大人である。」という、どちらもそれらしいもので、キラリと光るお父上のセンスにUもREIも客席も関心しきり。熟考を重ねた末の勝者はMASATOで、見事前回の雪辱を果たしてまずは10ポイント先取した。第二回戦は最近THE BEAT GARDENの現場に入った新人マネージャーの赤ん坊の頃の写真を2枚のうちから選ぶというお題で、こちらはREIが10ポイントゲット。勝ったものと思い込み、REIを散々からかっていたUとMASATOに「ホンマ見る目ないっすわ〜」と嬉々としてやり返すREIの口ぶりが再びオーディエンスの爆笑を誘い、ついでにメンバー3人の赤ん坊写真までもが公開されるという、実にファンクラブイベントらしい嬉しいサプライズも。Uによれば「この時代のメンバーの写真を見るのは初めて」らしく、目撃できた人はかなりラッキーと言えるのではないだろうか。

  • 庭宴歌謡祭 Vol.2

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 さらにゲームは最終決戦、「ピンチを切り抜けろ! キャット&チョコレートゲーム!!」に突入。「目覚まし時計が止まっていた。このままでは遅刻しそうだ。」というお題に対し、各自3枚ずつ引いたカードに書かれたワードをすべて使ってピンチを切り抜けるためのストーリーを組み立てて、良し悪しの判定は客席の拍手に委ねられる。もっとも多くの拍手を獲得した回答者には一発逆転も可能な30ポイントが贈られるというから3人も必死だ。一番手のREIは「刀」「ワイン」「映画のチケット」、二番手のMASATOは「一億円」「着物」「けん玉」、三番手のUは「マッチ」「猫」「鷹」の手札で挑んだのだが、それぞれが四苦八苦しながら織り上げていくストーリーは予想外かつ劇的に展開。やまぬ大爆笑のなか1位をもぎ取ったのはまたしてもMASATOだった(ちなみに2位はU、3位はREIだ)。1部での結果も総合して罰ゲームはUに! その内容が「密着・12時間スマホなし生活!」と発表されるとがっくりと肩を落としたU。すでに今のiPhoneのバッテリーを2回も替えているほどのヘヴィなスマホユーザーだというU、果たして12時間をどう乗り切るのか。後日、“ウラ庭”オフィシャルサイトにてその模様が公開されるそうなので、楽しみにしていよう。

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「改めてありがとうございます。一個一個、自分たちの階段が上がっていくのをみんなが見守ってくれて、一緒に共有できているのがすごく嬉しい。いち早く僕らを見つけてくれたみんなを大切にしていきたいと思っているので、これからもよろしくお願いします」(REI)

「今日は久しぶりに歌う曲もあったのに、全部の曲をみんなが口ずさんでくれていたのがすごく印象的でした。正直、Zeppは悔しさもあったんです、まだまだいけるってメンバー間でもずっと話していて。そう思わせてくれたのもみんなだし、みんなの期待を裏切らないように、でも、いい意味で想像を裏切っていけるミュージシャンになりたいと思っています」(MASATO)

「この「ウラ庭」にいるあなたがいちばんTHE BEAT GARDENのこと、僕ら一人ひとりのことを考えてくれてると思ってます。きっと、みんなのほうが俺らのことを知ってくれてるんじゃないかな。どんな形で恩返しできるかまだわからないけど、ここがいちばん安心してもらえる居場所にしていられるように頑張るので、これからもそばにいてください」(U)

 ALEXを送り出したあと、改めての感謝と誓いを新たにした3人。このまま終演にはできないと1部のラストに急遽、1曲追加したことを明かし、「2部でも歌っていいですか?』と問いかける。当然ながら答えはイエスだ。彼らが最後に「ウラ庭」のみんなと歌いたいと選んだのは「本当の声で」。素のまま、ありのままをぶつけ合ってきたこの日の大団円にこれほど相応しい曲もないだろう。全員んで歌い終えたその瞬間の、達成感と至福に満たされた光景が今も蘇っては胸を熱くする。

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「マジでヤベぇTHE BEAT GARDENになります! またライブハウスで会いましょう!」

 先にステージを降りかけたサポートDJ・kowta2を呼び戻し、4人で整列したステージからUが叫ぶ。なお、この日のMCで「今年はまだ楽しい予定があるから」とも予告したU。6月25日からは放送開始となるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『あの子の子ども』の主題歌に新曲「わたし」が起用されるとすでに告知されているが、その先にも心はずむニュースが控えているということだろうか。その動向からますます目が離せなくなってきたTHE BEAT GARDEN、“マジでヤベぇ”彼らが作る最高の居場所で、再びともに過ごせる未来をワクワクと想像せずにはいられない。

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文・本間夕子
写真・Yuto Fukada